3月19日
GS PV Holdingsの王社長の紹介で太陽電池のシリコンインゴットとウェハ製造をしている愛多光伏科技を訪問しました。王さんの会社も太陽電池のモジュール製造を行っており、ウェハを購入するという関係から愛多の孫社長とは仲の良い知り合いのようです。
後で知ったのですが、王さんは会計が専門で、もともと小天鵝に10年ほど努めていたそうです(小天鵝は昔ケースを書いたことのある大手白物家電企業。今は美的傘下にある。)。マレーシアに3年間派遣されて、そのときに、小天鵝の経営が変わったので(買収された)、会社を辞めて、上海の交通大学のMBAに通い、その後、独立して起業しています。
独立当初は物流関係のトレーニングの会社をやろうと思っていたらしいのですが、貿易会社の方がつくりやすかったので、とりあえず貿易会社をつくったそうです。貿易をやるつもりはなかったのですが、貿易をやらないと会社を続けられないということで、他の企業の貿易に対するサービス業務から始めて、その後に自分で貿易を始めたということです。
太陽電池に関しては、最初は自分で工場をもつのではなく、様々な工場に加工依頼をして、そうしてつくられた製品を海外や国内に売っていたようです。このあたりには、どうやら、シリコン製造、ウェハ製造、セル製造、モジュール製造を行う、小規模の企業が数多く存在しているようです。王さんは、たとえば、シリコン材料そのものを購入・調達して、その加工を、ウェハ製造、セル製造、モジュール製造企業に依頼をし(賃加工)、できた製品を販売するといったことをやっていたようです。
その後、つき合いのあった大手太陽電池企業(サンテックの1/2くらいの規模の会社だそうですが、社名わからず)から、モジュール工場を1つ買い取って、現在の会社に至っています。その大手太陽電池企業は、創業者が若くして亡くなって(働き過ぎらしい)、奥さんが切り盛りしていたのですが、手がまわらないので、工場の1つを王さんに売却したということでした。
王さんの例もそうですし、愛多の孫さんもそうですが、太陽電池企業の創業者は必ずしも、技術者ではありません。孫さんは元銀行員です。儲かりそうだと思えば、すぐに起業をして、必要な技術はあちこちから買ってくる(そこでは友達のネットワークが重要)。日本とは異なって、機会さえあれば、すぐに動く、俊敏さがあります。中国の集積ネットワークの特徴をもっと探ってみたいと思いました。
(青島矢一)