3月22日
CPVTは現在、(1)(粗悪品を出さないための)PV製品の監督と検査、(2)製品輸出のためのPV製品の認証とテスト、(3)国内のPV製品標準の確立、という3つの仕事をしています。
(1)については、例えば、2009年、江蘇省政府からの依頼で、48社のPV企業の参加のもと、大規模の製品サンプリングテストや質問票調査をしました。プレゼンでは具体的なデータをみせてもらいましたが、各社のモジュール性能(変換効率)にはかなりばらつきがありました(30-40%くらい異なる)。それでも上位企業の性能は日本企業の性能と遜色ないかむしろ上回っていました(正確に比較ではないのですが)。
(2) については、CPVTは海外への輸出を希望する中国のPV企業に対して、「ワンストップサービス」を提供しています。海外の認証機関との連携のもと、主たる市場である欧州や米国への輸出に関しては、CPVTでのテストして認証されれば、輸出可能となっています。例外が日本と韓国だそうです。
中国国内では金太陽プロジェクトというインセンティブプログラムがありますが(1kwhあたり1元での電力買い取りか、設備能力1wあたり7元の補助金を出す制度)、それに応募するには、CQC(China Quality Certification Center)かCGC(China General Certification Centre)の認証を得る必要があります。CPVTは中国国内で唯一両方の双方の認証機関と連携しています。
またこうした認証以外にも、検査設備を持たない中小のPV製品、部材企業に対して、有償で検査サービスも提供しています。
CPVTによると無錫にはおそらく200社くらいのPV関連企業が存在しているとのこと。モジュール企業が20-30社。ウェハ製造企業が5社(江蘇省の中心でといっていたかもしれない)。バックシート、インバーター、封止ペーストなどを供給する多くの企業が存在するそうです。PV産業の集積地になっています。
現在、欧州など主要市場での需要減によって中国のPV企業は厳しい状況に置かれていますが、CPVTの仕事量はむしろ増大しているといいます。これは、1つには、テストする部材の領域が広がったこと、もう1つは競争が激しくなったことによって多くの企業が品質検査をきちんと行うようなったからだそうです。
今回話を聞いていて少し気になったことは、国際的な協力・連携関係を何度のアピールしていましたが、欧州と米国ばかりで、日本が一度も出てこなかったことです。
産総研は世界でもっともすぐれた技術をもっているので、是非共同研究したいといっていました。また日本で売るにはJET(電気安全環境研究所)の認証が必要になり、現状では日本に持ち込んで検査を依頼しなければいけないので、できれば他国と同じように、お互いに連携して、日本向けも中国国内で認証検査できるようにしたいといっていました。
なんとなくここでもガラパゴス化の臭いがします。別の記事で書きましたように、僕は、太陽電池の保護政策は効力がないと思っていますので、中国企業に対する参入障壁があるのであれば、それは取り払った方がいいように思います。
(青島矢一)