Jixinは2003年に4人の創業者が3,000万元を持ち寄って始めた企業です。きっかけはインドの風力発電企業であるスズロンが、自動車向けの鋳物を生産していた無錫一汽鋳造に話をもちかけてきたことにあります。しかし、無錫一汽は自動車関連企業であり、風力発電には土地勘がなかったこと、また、第一汽車関連の子会社(おそらく一汽吉林汽車と天津物流の合弁企業かと)であったため、自社で投資意思決定をすることができなかったと思われます。
この話を聞いた4人の創業者は、鋳物にも風力発電にも全く経験はなかったものの、お金を持ち寄ってJixinを立ち上げました。鋳物の技術がなかったので、創業時に、鋳物関係の技術者を無錫一汽から雇用したそうです。
土地を購入して鋳物の生産は始めたものの、Jixinには機械加工する能力がありませんでした。加工機械は一台700万元から800万元と、非常に高価なものであり、投資する余力がまだありませんでした。そこで、2005 年に生産を始めるにあたり、機械加工設備をもつQialian(3月訪問)に賃加工をお願いすることになったとのことです。
しかし不良品が多すぎてだめだったそうです。そこで次に考えたことは、Qiaolianの工場の一部を加工機械ごと借り入れて、自分たちで機械加工を始めることでした。これが2007年まで続きます。席氏はこのときの工場長でした。JixinがQiaolianの工場を借りて生産していたときのことを、Qialianはあたかも自分で生産していたかのうように言うことがあるといっていました(以前のブログ参照)。Qiaolianに関する話は、当時の競争相手でもあるので、多少の誇張はあるのかもしれませんが、席氏は工場長であったこともあり、当時の様子を大変詳しく知っていました。おそらく正しい情報だと思われます。
2007年になると、Jixinは自社で加工機械を調達して、自社工場で生産を始めました。それと同時に、Qiaolianも自社で、鋳物を含めて同じ製品(部品)の事業を始めました。2007年は、スズロンが急速に生産台数を延ばした年で、Jixinだけではその需要に対応することができなかったそうです。そこでQialianにも仕事が流れたといっていました。
右から二番目が席氏 |
席氏は、Qiaolianは全く競争相手ではないといっていました。現在Qiaolianは生産ストップしていると思われます。品質が追いついていないからだという解釈でした。Jixinの不良率が5%、Qiaolianは20%以上だそうです。
Bed PlateとHubに関しては、中国企業の世界シェアが70%程度であるとのことです。Jixin以外では、無錫一汽や長城須崎(日系出資)という企業があるとのことでした。
**以上の記述はインタビューを元にしており、全て内容の信憑性をきちんと確認できているわけではありません。間違いを見つけ次第、訂正していきます。**
(青島矢一)